エーロゾル光学的厚さの観測に用いるサンフォトメータの較正には、基準器との比較観測を行う方法やラングレー手法と呼ばれる方法があり、現在国内で観測に使用しているPFR型サンフォトメータの較正は前者によっている。また、南極昭和基地で観測に使用しているMS-110型サンフォトメータの較正は後者によっている。
1996年に、ダボス物理気象観測所/世界放射センター(PMOD/WRC)がWMO/GAWの世界光学的厚さ研究較正センター(WORCC)に指定されたため、PFR型サンフォトメータは、WMO/GAWのWORCCが維持する世界基準器との比較観測により測器定数を維持することが可能になった。気象庁では5年毎に国内基準器をWORCCに送り、トレーサビリティを確保している。
ラングレー手法とは、快晴時に大気路程が短時間に大きく変化する時間帯の出力値を連続測定し、この測定値を仮想的に大気路程が0となるところまで外挿して、大気外での出力値を推定する方法である。大気外での日射量は一定とし、また測定時間内に大気中のエーロゾルなどの状態が一定と仮定することにより、測器定数を決定することができる。
WORCCの基準器はこの方法により測器定数を決定しているほか、かつて国内で観測に使用していたMS-110型サンフォトメータについてもこの手法を用いて測器定数を決定していた。
国内におけるラングレー手法による測器定数の決定は、1998年から2005年までの毎年秋に標高2612mの長野県駒ヶ根市千畳敷カール底において行った。観測を高地で行うのは、測定時間内に大気中のエーロゾルなどの状態がなるべく変化しないことが望ましいためであり、WMOの勧告(WMO, 1993)によるものである。駒ヶ根でのラングレー手法により測器定数を決定した後、各観測地点において、新たに較正した測器と1年間観測に使用してきた測器との比較観測を行うことにより、1年間観測に使用してきた測器の測器定数の変化を把握して観測値を補正した。比較観測後、新たに較正した測器はそのまま観測に使用し、1年間使用してきた測器はオーバーホールした後、翌年、駒ヶ根市千畳敷カール底でラングレー手法によって再び較正された。
南極昭和基地における測器定数は、観測データの中から選び出した良好なデータからラングレー手法により較正したものに基づき決定している。

|
図 7.3.8.1 ラングレー手法観測の様子。 |
温室効果ガスなどのGAW観測所 | 綾里 | 南鳥島 | 与那国島 | 昭和(南極) | 観測方法(エーロゾル光学的厚さ) | 観測方法(エーロゾル鉛直分布) | 参考文献