現時点では、ブリューワー分光光度計を用いた紫外線観測の較正方法について、国際的に確立した方法はない。気象庁では、ブリューワー分光光度計の測器定数をNISTランプ(米国国立標準技術研究所(NIST)の検定証つきの標準ランプ)による照度を基準にして定めている。また、高層気象台では、このNISTランプにより値付けした国内準器を維持・管理している。WMOの枠組みによる国際比較は現時点では実施されていないので、ブリューワー分光光度計の開発を行ったカナダ気象局との間で、二国間の技術協力として相互比較を実施している。表7.3.7.1にこれまでの相互比較観測の履歴を示す。直近の比較観測は2010年にカナダ・トロントで実施している。
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表7.3.7.1 国内準器のブリューワー分光光度計の国際相互比較の履歴。 |
| 実施年 Year | 実施場所 Venue |
|---|---|
| 1994 | 米国・ボールダー Boulder, USA |
| 1997 | カナダ・トロント Toronto, Canada |
| 2002 | カナダ・トロント Toronto, Canada |
| 2006 | カナダ・トロント Toronto, Canada |
| 2010 | カナダ・トロント Toronto, Canada |
国内3観測所のブリューワー分光光度計については、ほぼ3年に一度、国内準器との比較観測などを用いた較正を実施し、観測精度の維持を図っている。表7.3.7.2に国内3観測所のブリューワー分光光度計について、最近実施された比較観測の年月を示す。
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表7.3.7.2 国内各紫外線観測地点のブリューワー分光光度計の最近の比較観測履歴。 |
| 観測所 Station | 札幌 Sapporo | 鹿児島 Kagoshima | 那覇 Naha |
|---|---|---|---|
| 比較観測 実施年月 Time of Comparison |
1996年2月 February 1996 1997年7月 July 1997 2000年10月 October 2000 2001年8月 August 2001 2001年11月 November 2001 2003年7月 July 2003 2007年10月 October 2007 2010年10月 October 2010 |
1995年10月 October 1995 1997年10月 October 1997 1998年9月 September 1998 2000年3月 March 2000 2001年8月 August 2001 2001年11月 November 2001 2002年11月 November 2002 2005年5月 May 2005 (2005年3月 観測終了 Observation terminated in March 2005) |
1996年10月 October 1996 1999年11月 November 1999 2000年5月* May 2000* 2001年8月 August 2001 2001年12月 December 2001 2001年11月 November 2001 2004年11月 November 2004 2006年9月 September 2006 2009年4月 April 2010 * 検定のみ calibration only |
さらに、これらの比較観測以外にも、毎日、水銀ランプ点検などの点検を自動的に行うとともに、外部標準ランプ(タングステン−ハロゲンランプ)を用いた点検を定期的に実施し、波長別感度の変化を確認している。なお、これらの点検の詳細については、「紫外域日射観測指針」(気象庁, 1993)に示されている。
B領域の紫外線の全量を測定する紫外域日射全量計については、測器感度の変化に対してブリューワー分光光度計の月別値による補正を行っている。
南極昭和基地のブリューワー分光光度計については、高層気象台の国内準器で比較較正を行った測器を通常3年ごとに持ち込み観測に使用している。3年以上継続して同一測器で観測を行う場合には、高層気象台で比較較正された測器を昭和基地に持ち込み、観測に使用している測器との比較観測を実施することにより、精度の維持を行っている。また、国内観測所と同様な点検作業を行っている。