エーロゾル光学的厚さの観測方法

7.2.11 エーロゾル光学的厚さの観測方法

 エーロゾル光学的厚さの観測は、自動太陽追尾装置に搭載したサンフォトメータによって日出から日没まで連続して行う。図7.2.11.1に観測装置の概観を示す。測定は、エーロゾルが太陽光を散乱・吸収する原理に基づいている。
 サンフォトメータは、WMOの勧告を満たすように選んだ4波長(368、412、500、862nm)の測定ができるPFR(Precision Filter Radiometer)型である。時別値等は、太陽方向に雲が無いときのデータのみを抽出して算出する。
 また、南極昭和基地では、5波長(368、500、675、778、862nm)の測定ができるMS-110型を用いて、大気路程が6以下で太陽方向に雲が無いときのデータから時別値等を算出する。

 エーロゾル光学的厚さを求めるには、まず太陽光を干渉フィルターで分光し、それぞれの波長の強さに応じたセンサーからの出力をもとに、太陽高度角等を考慮した次式により大気の光学的厚さを求める。

大気の光学的厚さ   (1)

 ここでは測器定数〔mV〕、はサンフォトメータ出力〔mV〕、は大気路程、は地球-太陽間距離補正係数である。

 エーロゾル光学的厚さは、この大気の光学的厚さから空気分子の散乱による光学的厚さとオゾンの吸収による光学的厚さを差し引いて求める。

 空気分子の散乱による光学的厚さは次式で求められる。

空気分子の散乱による光学的厚さ   (2)

 ここで、は観測時の現地気圧〔hPa〕、は標準気圧(1013.26〔hPa〕)、は波長〔µm〕である。

 また、オゾンの吸収による光学的厚さは、TOMSの観測を基に観測所付近の平均的なオゾン全量を見積もった値を使用している。

 波長別のエーロゾル光学的厚さから、粒径の大きなエーロゾルの量と小さなエーロゾルの量の相対的な関係を示す指標となるオングストローム指数を求めることができる。オングストローム指数、波長とエーロゾル光学的厚さとの間には、ほぼという式で表される関係がある(Ångström, 1961)。
 一般にエーロゾルの粒径が大きいと波長が長くなっても光学的厚さは減少しない。一方、粒径が小さいと波長と共に光学的厚さが減少する。
 このため、オングストローム指数はエーロゾルの大きさに逆比例し、オングストローム指数の値が大きいと相対的に小さな粒子が多く、逆に小さいと大きな粒子が多いことになる。
 例えば黄砂のような大きな粒子の場合は、0.5以下(Tanaka et al., 1989; 鈴木ほか, 2001; Uchiyama et al., 2005)であり、大気汚染や森林火災の煙による比較的小さな粒子の場合は、1.5〜2程度になることが知られている(Moulin et al., 1997; Eck et al., 2003)。

サンフォトメータ

図 7.2.11.1 サンフォトメータ。
Fig. 7.2.11.1 Sunphotometer.


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