昭和基地(南極)

7.1.1 温室効果ガスなどのGAW観測所

昭和基地(南極)

 南極の昭和基地は、リュツォ・ホルム湾東岸の南極大陸氷縁から西に4 km 離れた東オングル島に位置しており(図7.1.1.13 及び図7.1.1.14)、各種の施設は、東オングル島の北部、東西に約1.5 km、南北に約1 kmの範囲に設営されている。基地主要部には管理棟及び居住棟があり、気象棟は管理棟の西約100 m に位置している。地上オゾン観測は1997年1月から気象棟付近の施設で行われていたが、2008年5月に基地主要部から東に約300m離れた清浄大気観測室へ観測場所を変更した。昭和基地は、年間を通じて北東風が卓越しているため、人為的な汚染の影響はほとんどない。
 昭和基地での観測種目、使用測器などは表7.1.1.5 のとおりである。オゾン層及び紫外線観測関連については第7.1.2節に示す。

南極の昭和基地の位置

図7.1.1.13 南極の昭和基地の位置。
Fig. 7.1.1.13 Location map of Syowa station.

昭和基地の様子

図7.1.1.14 昭和基地の様子。
Fig. 7.1.1.14 Location view of Syowa station.


表7.1.1.5 昭和基地での観測種目、観測頻度及び使用測器。
Table 7.1.1.5 Observation parameters, frequency and instruments at Syowa station.

観測種目
Parameter
観測開始
Start of observation
観測頻度
Frequency
使用測器
Instrument
地上オゾン
O3
1997年1月
January 1997
連続
Continuous
紫外線吸収式オゾン濃度計
UV Ozone Monitor
Dylec Inc. MODEL1100
エーロゾル光学的厚さ
Aerosol optical depth
1980年1月
January 1980
連続
Continuous
サンフォトメータ
Sunphotometer
EKO Instruments Co., Ltd. MS-110

 昭和基地の気候は、昭和基地が大陸から離れているため斜面下降風(カタバ風)の影響が少なく、南極の基地のうちでは比較的暖かく(年平均気温−10.5℃)、風もそれほど強くはなく(年平均風速6.5 m/s)、沿岸弱風帯に分類されている。昭和基地は極域にあるため、5月下旬に極夜となり、太陽が再び現れるのは7月中旬である。また、11月上旬に白夜が始まり、1月中旬に終わる。観測開始以来の最高気温は10.0℃(1977年1月21日)、最低気温は−45.3℃(1982年9月4日)を記録している。発達した低気圧が接近すると強風と降雪をもたらしブリザードとなる。ブリザードは、年間平均で27回程度あり、平均延べ日数も51日を超える。最大風速の極値は47.4 m/s(2009年2月20日)、最大瞬間風速の極値は61.2 m/s(1996年5月27日)を記録し、年間雪日数は平均191日で、年間通じて降雪があり、11〜1月の白夜期でも月10日以上ある。
 2009年の昭和基地における日平均、日最高、日最低気温の変化を図7.1.1.15に示す。2009年の年平均気温は−10.3℃で平年より高かった。なお、昭和基地においては、降雪現象ではない地吹雪の影響が大きく、降水量(降雪量)の観測を行っていない。

昭和基地の2009年の日平均・日最高・日最低気温の変化

図7.1.1.15 昭和基地の2009年の日平均・日最高・日最低気温の変化。
Fig. 7.1.1.15 Daily mean, daily maximum and minimum temperatures at Syowa station in 2009.

 2009年の年間と各月ごとの風配図を図7.1.1.16に示す。年間を通して北東〜東北東の風が卓越し、年平均風速は6.9 m/sであった。

昭和基地の2009年の年間と月ごとの風配図

図7.1.1.16 昭和基地の2009年の年間と月ごとの風配図。
Fig. 7.1.1.16 Monthly and annual wind roses at Syowa station in 2009.


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