南極の昭和基地では、直達日射計により直達日射量を1秒ごとにサンプリングし、大気路程が6以下で太陽面に雲がない時のデータを使用し、大気混濁係数を求めている。太陽が地平線上に現れない又は太陽高度角が低い5月下旬から7月中旬までは観測を休止している。
図4.3.3.1に2009年の昭和基地における大気混濁係数を示す。また図4.3.3.2に1980〜2009年の昭和基地における大気混濁係数の経年変化を示す。2009年の大気混濁係数は、年間通して日本国内の観測値よりも小さい値を示している。これは南極大陸が清浄なことによるものである。
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図4.3.3.1 昭和基地における大気混濁係数の時系列図(2009年)。 |
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図4.3.3.2 昭和基地における大気混濁係数の経年変化(1980–2009年)。 |
1980年からの昭和基地における大気混濁係数の経年変化では全球的に噴出物が拡散されたとされる1982年3〜4月のエルチチョン火山(17.20°N, 93.12°W)、1991年6月のピナトゥボ火山(15.08°N, 120.21°E)の噴火後に大気混濁係数は増加し、その後数年かけて平年並に戻っている。なお、北半球で起きた火山噴火の影響が全球的に拡散するには、ある程度時間を要し、ピナトゥボ火山噴火の場合、その影響は1991年末時点では衛星観測などにより南緯20度程度までとされている。そのため、1991年に昭和基地で観測された大気混濁係数の増加は、1991年8月におきたチリにあるハドソン火山噴火(45.54°S, 72.58°W)の影響とみられる。その後の1992〜1993年の増加は、ピナトゥボ火山による噴出物の全球的な拡散によるものと考えられる。