時別値を一月にわたって平均したものを月別値とし、これを12個平均したものを年平均濃度としている。
図2.6.3.1に、昭和基地で観測された2009年の大気中の地上オゾン濃度の月別値と参照濃度(第8.1節参照)を示す。2009年の年平均濃度は25 ppbで、昨年と同じ濃度値であった。昭和基地における濃度は、7月に最大、2月に最小、最大と最小の差は18 ppbであり、最大と最小の差はどの国内観測所における値よりも小さい。また、月ごとの変動の幅も国内観測所に比べて小さく、安定した季節変動が表れることを示している。
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図2.6.3.1 昭和基地における大気中の月平均地上オゾン濃度の時系列図(2009年)。実線は2009年の濃度の月別値、点線は参照濃度(第8.1節参照)。参照濃度の誤差範囲は±1σ(濃度月別値と参照濃度の差の標準偏差)を示す。 |
南極の地上オゾンの季節変動は、一般に中緯度から対流圏上層を通って運ばれる成層圏起源のオゾンの影響によるものとの解釈がなされている(Murayama et al., 1997)。昭和基地で観測された濃度と参照濃度を比較すると、2009年の濃度変動は2月に低く、4、6月に高かった。
なお、南極での地上オゾン濃度の変動については、最近の知見や話題のページにまとめてある。
時別値を一月にわたって平均したものを月別値とし、これを用いて昭和基地で観測された大気中の地上オゾン濃度の長期変動及び季節変動に関する以下の解析を行った。解析手法の詳細については第8.1節に記載してある。
図2.6.3.2に、昭和基地で観測された地上オゾン濃度の月別値の変動と、季節変動成分を除いた濃度変動(長期変動成分)を示す。
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図2.6.3.2 昭和基地における地上オゾン濃度の月別値と、季節変動成分を除いた濃度の経年変化。 |
対流圏オゾンの基礎知識の項で触れたように、南極点での地上オゾン濃度について1975年から1997年にかけて明瞭な減少トレンドが指摘されている(WMO, 1999)。昭和基地での地上オゾン濃度について、1997年から2009年までの期間での長期トレンドは明瞭ではないが、昭和基地においても引き続き地上オゾン濃度の監視を続ける必要がある。
日本における地上オゾン濃度 | オゾンゾンデによる対流圏オゾン鉛直分布