世界の一酸化二窒素濃度

2.4.2 世界の一酸化二窒素濃度

 温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)に報告された2009年までの濃度観測データを用いて月別値を算出した。

結果

 図2.4.2.1に、全球平均の一酸化二窒素濃度の変動を示す。一酸化二窒素濃度は引き続き増加しており、2005年には大気中濃度が319±0.12 ppbまで増加した(IPCC, 2007)。WDCGGに報告されたデータから算出した全球平均濃度は、2009年には322.5 ppbまで上昇し、産業革命以前に比べ19%増加している。過去10年間の平均でみると、世界の一酸化二窒素の濃度年増加量は0.77 ppb/年である。

世界の大気中一酸化二窒素の月平均濃度の時系列図

図2.4.2.1 世界の大気中一酸化二窒素の月平均濃度(青色のドット)と季節変動成分を除いた濃度(赤い線)の経年変化。
Fig. 2.4.2.1 Time series of monthly mean N2O concentrations (blue dots) and deseasonalized concentrations (red line) for the globe.

解説

 一酸化二窒素について、様々なプロセスによる放出・吸収の量を足し合わせた放出・吸収量の推定と、大気中濃度の観測値から逆解析手法を用いた放出・吸収量の推定が、ともに行われており、IPCC(2007)は両者の推定値はよく一致していると評価している。前者の推計によると、1990年代の一酸化二窒素の放出量は17.7(8.5–27.7)TgN/年となっており(IPCC, 2007)、人間活動による放出が産業革命以前と比べて40〜50%増えたと考えられている(Hirsch et al., 2006)。(注:TgNは、窒素換算で1兆グラム(100万トン)。)
 一酸化二窒素の季節変動は、海洋の微生物の活動、土壌からの放出量、成層圏大気の対流圏への入り込みなどの季節変動が影響していると考えられているが、南半球に比べ北半球の一酸化二窒素の季節変動の要因はまだきちんと説明できていない(Prinn et al., 2000;Liao et al., 2004)。


内容構成一覧

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日本における一酸化二窒素濃度

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