大気−海洋間でのメタン交換量の把握を目的に、北西太平洋での洋上大気中及び表面海水中のメタン濃度の観測を実施している。
海水中に溶存するメタン濃度の観測値から、水温と塩分の関数で表されるメタンの海水への溶解度を用いて表面海水中のメタン分圧(pCH4sea)を求め、大気−海洋間のメタン分圧差(ΔpCH4)を計算する。表面海水中及び洋上大気中のメタン濃度の単位はnmol/kg及びppmで、メタン分圧pCH4はμatmで表す。
図2.2.3.1に、2009年1〜2月の東経165度の表面海水中及び洋上大気中のメタン濃度、海面水温及び海面塩分の緯度分布を示す。大気中のメタン濃度は1.76〜1.91 ppmの範囲にあり、海域北部でわずかに高くなっており、人間活動に伴うメタンの寄与が考えられる。表面海水中のメタン濃度は1.98〜2.26 nmol/kgの範囲にあり、海域北部及び赤道付近で高くなっていた。
図2.2.3.2には、2009年2月の赤道上の表面海水中及び洋上大気中のメタン濃度、海面水温及び海面塩分の経度分布を示す。大気中のメタン濃度は1.77〜1.83 ppmとわずかな濃度変動であったのに対して、表面海水中のメタン濃度は2.07〜2.82 nmol/kgの範囲にあり149E以西で高くなっていた。
図2.2.3.3には、東経165度及び赤道上の洋上大気中と表面海水中のメタンの分圧差の分布を示す。観測を実施したいずれの海域においても表面海水中のメタン分圧は、大気に比べて高く、これらの海域では海洋から大気へとメタンが放出されていた。東経165度線上での表面海水中のメタン(図2.2.3.1)には海域北部で高濃度傾向が見られたが、北部側では表面海水温が低い(メタン溶解度が大きい)ためメタンの分圧差はむしろ赤道付近で大きくなっていた。一方、赤道上(図2.2.3.2)では海域西部で表面海水が高温であるためメタンの分圧差は西部でより顕著となっていた。
これまで赤道域、亜熱帯域で観測された結果では、海洋はほぼメタンの放出域であり、2009年も同様な結果となった。
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図2.2.3.1 東経165度線の(a)表面海水中のメタン濃度、(b)洋上大気中のメタン濃度、(c)海面水温、(d)海面塩分の緯度分布(2009年1月25日〜2月13日)。 |
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図2.2.3.2 赤道線の(a)表面海水中のメタン濃度、(b)洋上大気中のメタン濃度、(c)海面水温、(d)海面塩分の経度分布(2009年2月14日〜2月20日)。 |
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図2.2.3.3 大気−海洋間のメタン分圧差(ΔpCH4)の分布。(2009年1月25日〜2月20日)。 |
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