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診断(要約) 2.2.2 黒潮

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気候に関連する海洋の変動(第2章2.1〜2.3)
2.2.2 黒潮の詳細はこちら
平成19年1月31日

2.2.2 黒潮
背景

本州南方における黒潮の流路は、大蛇行と非大蛇行の二つに大別される。流路の変動は、水温分布や日本南岸の潮位の変動をともない、漁業をはじめとするさまざまな分野に影響を及ぼす。また、黒潮は大量の熱を低緯度から中緯度へ運んでおり、その流量の変動は大気への熱放出量をつうじて気候に影響を与えていると考えられている。

項目 本州南方の黒潮の流路 診断するデータの範囲(東海沖:東経136〜139度) 
データ 深さ200mの水温15℃を指標として求めた東海沖(東経136〜139度;右図の網掛部分)における月ごとの黒潮の流軸のほか、衛星による海面水温画像など各種データをもとに総合的に決定した黒潮の流路
期間 46年間(1961年1月〜2006年10月)
視点 長期変動
診断

黒潮大蛇行は1965年以降5回発生している。黒潮の流路は、2004年7月下旬に13年ぶりに大蛇行となり、2005年8月まで継続した。大蛇行の継続期間は1年2か月で、前回1989〜1990年の大蛇行と同程度であった。また、東海沖での最南下緯度は、1980年代の3例の大蛇行と同程度であった。大蛇行流路への移行期間にあたる2004年7月から東海地方沿岸で表層水温と潮位が高くなり、潮位の高い状態は2005年2月まで続いた。


黒潮の流路の東海沖における最南下緯度の経年変動(1961年1月〜2006年10月)

黒潮の流路の東海沖における最南下緯度の経年変動(1961年1月〜2006年10月)

細線は月々の値、太線は13か月移動平均値。水色は最南下緯度が北緯32度以南である期間を、薄赤色は黒潮大蛇行の期間を示す。

項目 本州南方の黒潮の流量 診断するデータの範囲(東経137度) 
データ 東経137度(右図の赤線)を横切る黒潮の夏季と冬季の流量
期間 38年間(1967年冬〜2004年夏)
視点 長期変動
診断

本州南方の黒潮の流量は、1980年代以降10年程度の周期で変動している。近年では1996年ころに極小、2000年ころに極大となり、その後は2004年まで減少傾向であった。黒潮流量の変動は、北太平洋中央部における風の場の変動によって生じた海洋の内部構造の変動が、3〜5年かけて西に伝わることで生じていると考えられる。


黒潮の流量の経年変動(1967年冬〜2004年夏)

黒潮の流量の経年変動(1967年冬〜2004年夏)

夏季と冬季の観測に基づく流量で、本州南方における東向き流量からその南側の西向き流量(黒潮反流)を差し引いた正味の黒潮流量を示す。細線は観測値、太線は2年移動平均値を示す。

用語 黒潮大蛇行 大蛇行流路(本州南方の東経136〜139度付近で北緯32度以南まで大きく蛇行する流路)が1年以上継続した場合をいう。
風の場の変動 摩擦によって海面が風から受ける力(風応力)の強さや向きが変わること。


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