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海面水位は海水の容積によって変動しますが、海水の容積は海水量が変わらなくても海水の密度が変わることにより変化します。海水の密度は、水温、塩分、圧力により変化するため、これらの要素を観測し、海水密度の鉛直分布を求めることによって、その場所の海水の厚みとしての海面水位を知ることができます。東シナ海の定点において30年以上継続された海洋観測結果から那覇の海面水位上昇が表層の変動(主に水温の上昇)に起因していることがわかりました。
東シナ海の海洋観測点(PN-1)におけるステリックアノマリ(δstp)の鉛直時間断面図
ステリックアノマリは海水の比容α(水温・塩分・圧力の関数である海水密度の逆数)の基準値(水温0℃、塩分35psuにおける値)からの差を示します。海面から200dbar(=200×102hPa)付近の表層と400dbar以深の中層の2か所にδstpの振幅が大きい所があります。特に、表層の変動に注目すると、最近10年は正偏差傾向を示しています。
那覇の海面水位(点線)とPN-1におけるEOF第2モードから計算した力学的海面高度(実線)の時系列(12か月移動平均)
ステリックアノマリに対してEOF解析を行うと、第1モードは中層の変動を表し、第2モードは表層の変動を表す。第1モードについては5年の周期性がみられるものの、その振幅は小さく、上昇トレンドもみられません。一方、第2モードのみから求めたΔDと那覇の水位変動を比較すると、周期、振幅ともよく一致していて、那覇の海面水位上昇が表層の変動(主に水温の上昇)に起因していることがわかります。