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海洋大循環モデルを用いて、1960年から2002年までの日本近海における海面水位変動の再現を行ったところ、モデル結果は1990年代以降の海面水位の上昇を再現できていないものの、観測に見られる約20年の周期性はよく表現しています。
このモデルを駆動する風の変動を解析することにより、日本近海における海面水位の変動は、主に北太平洋中央部における偏西風の変動に対する海洋表層の力学的応答によってもたらされ、これらの風の変化の周期性によって日本沿岸の海面水位は約20年の周期で変動していると考えられます。

日本沿岸の平均的な海面水位の観測値(白丸)とモデルによる再現値(黒丸)
赤と黄色で示した太線はそれぞれの5年移動平均を示します。
偏西風が北に移動した場合、高緯度側では西風が強まり、低緯度側では西風が弱まります(低緯度側では東風成分が強まることに相当します)。北半球では地球自転の影響は風下方向の右側へ海水を押しやる効果をもつので、偏西風の軸が北に移動した結果、北緯40度付近を中心に海水が集まり、この海域の海面水位が上昇します。上昇した海面水位偏差は地球自転の影響を受けて西向きに伝播し、4〜5年かけて日本沿岸に到達して日本付近の海面水位を上昇させます。
偏西風の南北移動には約20年の周期性がみられ、その結果、日本沿岸の海面水位は約20年の周期で変動していると考えられます。

偏西風の強風軸が南北に移動した場合の風応力の変化
上段:偏西風が北に偏った場合と南に偏った場合の風応力の差の分布
下段:偏西風が北に偏った場合(赤線・赤丸)と南に偏った場合(黒線・黒丸)の風応力の緯度分布(西経150〜180度で平均)