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海の中には、直径が数十km〜数百kmの渦が多数あります。この渦は、周囲よりも暖かいものは暖水渦、冷たいものは冷水渦とよばれます。 特に北海道南方や日本東方の海域では、南の黒潮から切離した暖水渦や親潮から切離した冷水渦などが多数存在しており、非常に複雑な海況となっています。
下図は典型的な暖水渦と冷水渦が見られた2003年9月の深さ100mの水温図です。北緯39度東経144度付近に黒潮から切離してきた11℃台の暖水渦が見られます。また、北緯37度40分東経143度40分には5℃台、北緯40度10分東経143度と、北緯40度20分東経145度には4℃台の冷水渦が見られます。
北半球では通常、暖水渦は時計(右)回り、冷水渦は反時計(左)回りをしています。 しかし、オホーツク海起源の冷水渦は時計回りをしています。この理由は後ほど説明します。
物体が地球表面上を動くとき、地球は自転しているため、北半球では右向きに曲げるような力が働きます。 この地球の自転による力をコリオリ力といいます。
暖水渦では、水温が高いため密度が小さく、海面の高さが周囲に比べて高くなっています。 海水が海面の高い中心部から低い周囲の海域に流れるとき、コリオリ力によって右向きに力がかかるため時計回りの渦を形成します。 一方、冷水渦では海面の高さが周囲に比べ低くなるため、周囲の海域から冷水渦に向かって海水が流れ、反時計回りの渦が形成されます。 この様子を示したのが下図です。
オホーツク海起源の冷水は塩分が低く低密度のため、海面が高くなるので力学的には暖水渦と同じになり、時計回りの渦となります。
暖水渦(左)・冷水渦(右)の様子
暖水渦・冷水渦の発生には気象や海底地形などが関係するとされていますが、詳しい発生メカニズムは現在のところ不明です。 しかし、暖水渦の影響で潮位が高くなり浸水被害が発生したり、黒潮の大蛇行時に岸側に生じる冷水渦により暖水性魚類の漁場が沖合に押しやられるなど、我々の生活にも様々な影響を与えています。
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