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ホーム > 気象等の知識 > 海洋 > 海洋の温室効果ガスの知識 > 大気−海洋間の二酸化炭素交換量の見積もり方法

大気−海洋間の二酸化炭素交換量の見積もり方法

大気−海洋間の二酸化炭素交換量

1.二酸化炭素分圧と大気−海洋間の二酸化炭素交換量

大気−海洋間の二酸化炭素交換量は、大気と海洋の間を出入りした二酸化炭素の正味の量を表したものです。二酸化炭素交換量は、大気中と表面海水中の二酸化炭素分圧の差と風速の大きさによって決まります。表面海水中の二酸化炭素分圧が大気中の二酸化炭素分圧よりも高いときは、二酸化炭素は、海洋から大気へ放出されます。逆に、表面海水中の二酸化炭素分圧が大気中の二酸化炭素分圧よりも低いときは、二酸化炭素は大気から海洋へ吸収されます。表面海水中と大気中の分圧差が大きければ大きいほど、それに比例して、二酸化炭素の吸収あるいは放出量は多くなります。また、風速が大きいほど、大気−海洋間の二酸化炭素の交換が促進され、風速の2乗に比例して二酸化炭素の吸収あるいは放出量は多くなります。

2.表面海水中の二酸化炭素分圧の推定

表面海水中の二酸化炭素分圧は、水温や塩分の変化、深層の海水との混合、生物活動など、様々な影響を受けて大きく変動します(Lee, et al., 1998; Olsen et al., 2008 など)。しかし、海洋で起こっているこれらの変動を時空間的に細かくとらえることができるほどの二酸化炭素分圧の観測が行われているわけではありません。大気−海洋間の二酸化炭素交換量の年々の変動を監視する上で、観測の空白域及び空白期間を埋めることが課題になっています

これまで蓄積された国内外の海洋観測データの調査から、水温・塩分・クロロフィル濃度と表面海水中の二酸化炭素分圧との間には、海域や季節によってそれぞれ特徴の異なる相関関係があることがわかっています。気象庁では、この相関関係を利用して、水温と塩分の解析データや衛星によるクロロフィル濃度の観測データから表面海水中二酸化炭素分圧を推定しています(Sugimoto et al, 2012)

3.大気−海洋間二酸化炭素交換量の算出

大気−海洋間の二酸化炭素交換量は、以下に記載した式によって、緯度1度、経度1度、月ごとの大気−海洋間二酸化炭素交換量を算出します。

F = K × ( p CO2seap CO2air )

Fは二酸化炭素交換量です。Kはガス交換係数で、風速の影響を表します。気象庁では、ガス交換係数Kを求めるためにWanninkhof (1992) の方法(長期間の平均風速を用いる方法)を利用しており、Kは風速の2乗に比例します。表面海水中の二酸化炭素分圧(p CO2sea)は、2.で述べた手法を用いて、水温、塩分及び衛星によるクロロフィル濃度から推定します。大気中の二酸化炭素分圧(p CO2air)は、気象庁の解析値を用いています。

4.使用データ

大気中の二酸化炭素濃度:気象庁の全球解析データ(Maki et al., 2010)

海面水温:気象庁全球日別海面水温解析(MGDSST; 栗原ほか,2006)の月平均値

海面塩分:気象庁海洋データ同化システム(MOVE/MRI.COM-G; Usui et al., 2006; 石崎ほか、2009)による再解析値

海面気圧・海面風速:長期再解析(JRA25)及び気象庁気候データ同化システム(JCDAS) (Onogi et al., 2007)

海面クロロフィル濃度:米国のNASA ゴダード宇宙飛行センター(GSFC)がOcean Color Web(英語)で公開している、人工衛星(SeaWiFS及びMODIS/Aqua)が観測した海色データから求めた海面クロロフィル濃度。1997年以前のデータについては、1998年以降の月別平均値を利用

参考文献


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