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ホーム > 気象等の知識 > 海洋 > 海洋の温室効果ガスの知識 > 海洋の炭素循環

海洋の炭素循環

二酸化炭素は、温室効果ガスの中でも大気中に最も多く存在し、地球温暖化への影響が最も大きいとされています。その二酸化炭素は、大気中だけでなく、炭素の種々の形態で海洋、陸上生物圏にも分布し、また形態を変えながらそれぞれの間を移動します。大気、海洋、陸上生物圏は炭素の貯蔵庫となっており、炭素がこれらの貯蔵庫間を交換・移動することにより形成される循環を「炭素循環」と呼んでいます。

炭素循環の模式図

炭素循環の模式図(1990年代)

IPCC(2007)をもとに作成。各数値は炭素重量に換算したもので、貯蔵量(箱の中の数値、単位:億トン)あるいは交換量(矢印に添えられた数値、単位:億トン/年)を表している。黒の数値は、産業革命前の自然の循環の状態を表しており、収支はゼロである。赤の数値は、化石燃料の燃焼などの人間活動の影響によって、自然の状態から変化した量を表しており、交換量は1990〜1999年の平均値、貯蔵量は1750年から2004年末までの期間についての積算値である。なお、「植生、土壌および有機堆積物」の蓄積量の変化は、陸上生物圏の吸収による増加(+1010億トン)と土地利用の変化による減少(−1400億トン)に分けて示している。

海洋は、大気中に存在する量の約50倍もの炭素を蓄えており、巨大な炭素の貯蔵庫です。

海面で大気から海洋へ取り込まれた二酸化炭素は、一部が解離して重炭酸イオン、炭酸イオンへと変化し、これらを溶存無機炭素と呼んでいます。

海洋の表層では、海洋の生物、特に植物プランクトンの光合成によって溶存無機炭素の一部が有機物に変化します(一次生産)。また、海洋の生物の死骸や排泄物が沈降・分解し、溶存有機炭素や懸濁態(*1)有機炭素へと変化しながら海洋の中層・深層部へ運ばれます。海洋の生物によって海洋の中層・深層部へ炭素が運ばれるこの働きを「生物ポンプ」と呼んでいます。

溶存有機炭素や懸濁態有機炭素は、有機物を栄養源とする生物(従属栄養生物)の呼吸によって溶存無機炭素に変化します。混合や拡散などの物理的な作用により、溶存無機炭素は再び海洋表面へともたらされます。

主要な海洋中の炭素循環はこれらの過程で形成されています。正味の炭素の収支でみれば、海面で大気から海洋に取り込まれた二酸化炭素の大部分が、溶存無機炭素として海洋の中層・深層部へと蓄積されており、その駆動力として生物ポンプが重要な役割を果たしています。

*1) 溶けずに浮遊している粒状のもの

参考文献

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