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ホーム > 気象統計情報 > 地球環境・気候 > IPCC(気候変動に関する政府間パネル) > IPCC第三次評価報告書の要約(気象庁訳)> 排出シナリオに関する特別報告(SRES)の排出シナリオ

排出シナリオに関する特別報告(SRES)の排出シナリオ

A1.

 A1の筋書きとシナリオファミリーは,高度経済成長が続き,世界人口が21世紀半ばにピークに達した後に減少し,新技術や高効率化技術が急速に導入される未来社会を描いている。主要な基本テーマは,地域間格差の縮小,能力強化(キャパシティービルディング)及び文化・社会交流の進展で,1人当たり所得の地域間格差は大幅に縮小するというものである。A1シナリオファミリーは,エネルギーシステムにおける技術革新の選択肢の異なる三つのグループに分かれる。この三つのA1グループは技術的な重点の置き方によって以下のものに区別される。すなわち,化石エネルギー源重視(A1FI),非化石エネルギー源重視(A1T),そしてすべてのエネルギー源のバランス重視(A1B)である。(ここで,バランス重視は,いずれのエネルギー源にも過度に依存しないことと定義され,すべてのエネルギー供給・利用技術の改善度が同じと仮定している)

A2.

 A2の筋書きとシナリオファミリーは,非常に多元的な世界を描いている。基本テーマは独立独行と地域の独自性の保持である。出生率の低下が非常に緩やかなため,世界の人口は増加を続ける。地域的経済発展が中心で,1人当たりの経済成長や技術変化は他の筋書きに比べ,バラバラで緩やかである。

B1.

 B1の筋書きとシナリオファミリーは,地域間格差が縮小した世界を描いている。A1の筋書きと同様に21世紀半ばに世界人口がピークに達した後に減少するが,経済構造はサービス及び情報経済に向かって急速に変化し,物質志向は減少し,クリーンで省資源の技術が導入されるというものである。経済,社会及び環境の持続可能性のための世界的な対策に重点が置かれる。この対策には公平性の促進が含まれるが,新たな気候変動対策は実施されない。

B2.

 B2の筋書きとシナリオファミリーは,経済,社会及び環境の持続可能性を確保するための地域的対策に重点が置かれる世界を描いている。世界の人口はA2よりも緩やかな速度で増加を続け,経済発展は中間的なレベルに止まり,B1とA1の筋書きよりも緩慢だが,より広範囲な技術変化が起こるというものである。このシナリオも環境保護や社会的公正に向かうものであるが,地域的対策が中心となる。


 六つのシナリオグループの各々について,一つずつ例示シナリオA1B,A1FI,A1T,A2,B1,B2を選んだ。どれも同等の根拠を持っていると考えるべきである。SRESシナリオは追加的な気候変動対策を含んでいない。すなわち,いずれのシナリオも気候変動枠組条約や京都議定書の削減目標が履行されることを明示的に仮定していない。



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