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地球は、太陽から来る短い波長(0.17〜4μm)の光(太陽放射または短波放射)を受けているが、地表面や雲などによる反射により約30%が宇宙に戻り、残った約70%が大気や地表面に吸収されている。暖められた地表や大気からは長い波長(3〜120μm)の光(赤外放射または長波放射)が宇宙へ再放出されており、この太陽放射と赤外放射とがバランスすることによって、地表面付近の気温はほぼ一定に保たれている(図A3.1)。
また、大気中には水蒸気や二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素などの地表から放出される赤外放射を吸収する気体があり、それらの気体に吸収された赤外放射の一部がふたたび地表に向かって再放射される。すなわち、本来宇宙に逃げるはずの分が地表に返され、その分地表がさらに暖められる。地球の受け取った太陽放射がすべて赤外放射として宇宙へ放出されるとしたら、地表面温度は約−19℃となるのだが、二酸化炭素などの存在により実際の地表面付近の平均気温は約+14℃とわたしたちに快適な気温に保たれている。
このような効果は、植物用の温室のガラスが、太陽放射についてはほとんど吸収しないのに対し、温室内の植物や土壌からの赤外放射はよく吸収し、温室外部のみならず内部にも再放出する効果と似ていることから温室効果と呼ばれている。また、二酸化炭素などの温室効果を起こす気体を温室効果ガスと呼んでいる。
各温室効果ガスによる温室効果の強さ(地球温暖化指数:ある特定の温室効果ガス1kgの地球温暖化への寄与を二酸化炭素の場合に対する比であらわす。大気中の寿命が異なるために、対象とする時間規模で値は異なる)はまちまちであり、100年という時間規模でみると、二酸化炭素の温室効果の強さが1に対し、メタンの強さは23、一酸化二窒素は296、フロン類は100〜10000程度となっており、ほかには20000以上もの強さをもつものもある(IPCC, 2001)。このような温室効果ガスの大気中の濃度が増加することで、温室効果が強まり、その結果、地表面の気温が上昇していくのが地球温暖化問題である。
産業革命以降に人為的に排出された量および大気中の濃度は二酸化炭素が圧倒的に大きいことから各温室効果ガスの地球温暖化への寄与度は二酸化炭素が約60%と一番大きくなっている(図A3.2)。
IPCC, 2001: Climate Change 2001: The Scientific Basis. Contribution of Working Group I to the Third Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change [Houghton, J.T.,Y. Ding, D.J. Griggs, M. Noguer, P.J. van der Linden, X. Dai, K. Maskell, and C.A. Johnson (eds.)]. Cambridge University Press, Cambridge, United Kingdom and New York, NY, USA, 881pp.
近藤洋輝,2003:地球温暖化予測がわかる本,成山堂書店,174pp.
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